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食って、飲んで、笑って、眠って。。。そんな毎日。
by ichigoyama

第一回 上方落語まつりinミナミ

「上方落語の笑いで大阪の街を明るく、元気に!」と、
吉本興業、松竹芸能、米朝事務所の三社が会社の垣根を越えて結束。
なんばグランド花月に行ってきた。


林家花丸「時うどん」

いつもと変わらぬ張り出しのいい声で、トントーンと進む「時うどん」。
2人の掛け合いだが、コンパクトに。出だしも初めての流れ。
会場にはどっかんどっかん笑いが起こって「受けすぎちゃうか?」と思ってしまう。
おもしろいけどね。花丸さんお上手やし。でも、そこまで笑うか?
これが、なんばグランド花月のノリなのか? 客層も年齢高め。


桂宗助「子ほめ」

こちらもテンポよく進む。アホがとってもアホっぽくて憎めない。
よく知ってる噺なのに、やっぱり笑える。何度でも笑える。
そのあたりが、若手とベテラン噺家の力量の違いなんやな。


桂小春團治「アルカトラズ病院」

金儲け主義で不良患者を刑務所のように収容している、通称「アルカトラズ病院」。
そこに何も知らず救急車で運び込まれてしまった患者が、
不良患者とあれこれやらかす新作落語。
小春團治、おもろすぎる。春團治師匠の弟子とは思えないくらいに毛色の違う噺家さんや。


桂ざこば「子別れ」

「かすがい」を持参して見せながら説明する枕が、いかにもざこばさんっぽい。
なさけないオトンと、しっかり者でおませな息子のやり取りがおかしい。
立川流がやるとしんみり泣かせる噺になるところだが、
そんなしめっぽさは一切ないところが、さすがざこばさん!
っていうか上方らしくて良かった。


口上

幕が上がると、下手に司会の桂吉弥、その横にズラリと上方落語会の重鎮が。
真ん中に背筋をすーっと伸ばしてちんまり座っているのは春團治師匠。
その隣の好々爺が、人間国宝米朝師匠だ。
まず最初に春團治師匠がご挨拶。上品で優しげなんだけど隙がなくシャンとしてる。
さすが現役。貫禄があるのだ。
そして順番にひと言ずつのご挨拶が始まる。
が、米朝師匠、なんだかもぞもぞとして座り心地が悪そう。
正座してるのがしんどいみたいで、ざこばさんが話はじめると
「座ってんのしんどい」と訴える。
「ほな、もう寝ときなはれ!」とじゃけんに言い放つざこばさん。・・・国宝なのに。
見台が運び込まれてもたれて座っているが、最終的にはステージに椅子が運び込まれる。
それにしても、「椅子に縛り付けといたらええねん」とか
まぁ、ざこばさんやから許されるのだろうが、国宝に対して容赦がない。
みんな、はらはらして見守っていたが、その扱いに笑いが起こる。
で、米朝師匠が椅子に納まって最後のご挨拶。
「こんなややこしいとこに座らされて・・・」と、意外と元気な様子にほっとする。
会場の後ろに凄い数のカメラが並んでいたのは、この口上を撮るためやったんやな。


桂文珍「???」

英語落語。といっても、めちゃ簡単な英語だけど。
これまた、どっかんどっかん笑いが起こって、あまりのウケっぷりにビックリ。


笑福亭仁鶴「つぼ算」

仁鶴さんは初めて聴いたのだが、テレビで話しているのと同じ、たんたんとした口調。
大げさに抑揚をつけることもなく、安定したリズムで話が進んでいく。
そのリズムに引き込まれていくと、じわじわおもしろくなっていく。
ちょっとした間、わずかな表情の変化で笑わせる。
声を張り上げることもないのに、どなっているように感じたり
同じ調子やのにイライラした感じが伝わってきたり、
なんか不思議な空気に包まれておもろい世界に連れて行かれるのが心地よかった。


何はともあれ、お元気そうな米朝師匠を拝めて良かった。
by ichigoyama | 2010-04-30 16:29 | 落語とか芝居とかライブとか